市民出資型の風力発電事業に取り組む市民風力発電(札幌市、鈴木亨社長)は全国各地で発電用風車の建設ペースを速める。今後3年間で約100億円を投じ、東北や北陸地方などで発電能力2000キロワット程度の風車を30基程度新設する。地球温暖化対策の必要や原油価格の高騰で、自然エネルギーの活用に追い風が吹く中、増設を急ぎ、需要拡大を目指す。
同社の風車は現在、道内や石川県などに11基が稼働。すでに複数の電力会社と売電量を増やす契約を結んでおり、契約分の電力供給を満たすうえでも、この程度の増設が必要という。「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」(RPS法)で、電力会社が風力など新エネルギーによって得られる電力を一定量以上利用することが義務づけられたことも背景。
風車は市民風力発電が案件ごとに設立した特別目的会社(SPC)が建設主体となる。建設資金は1基当たり2億5000万円程度。約3分の1程度を国や公的機関の補助金、残りを銀行のプロジェクトファイナンスや市民ファンドへの出資金でまかなう。
http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20080724c3c2400q24.html
同社の風車は現在、道内や石川県などに11基が稼働。すでに複数の電力会社と売電量を増やす契約を結んでおり、契約分の電力供給を満たすうえでも、この程度の増設が必要という。「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」(RPS法)で、電力会社が風力など新エネルギーによって得られる電力を一定量以上利用することが義務づけられたことも背景。
風車は市民風力発電が案件ごとに設立した特別目的会社(SPC)が建設主体となる。建設資金は1基当たり2億5000万円程度。約3分の1程度を国や公的機関の補助金、残りを銀行のプロジェクトファイナンスや市民ファンドへの出資金でまかなう。
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温室効果ガス排出を大幅に減らすため、政府が29日にも閣議決定する「低炭素社会づくり行動計画」案が明らかになった。
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2050年の排出量を現状から60〜80%削減する長期目標を掲げた「福田ビジョン」の達成に向けた具体策を示したもので、太陽光発電機器の価格を3〜5年後に半額程度にする施策を打ち出す。火力発電所や製鉄所から排出される二酸化炭素(CO2)を地中に閉じ込める「CCS(炭素回収・貯留)」の実用化への道筋なども盛り込んでいる。
日本の太陽光発電の導入量は04年までは世界一だったが、05年にドイツに抜かれた。行動計画では「世界一の座を再び獲得する」ことを目指し、「思い切った支援策」を講じるとしている。05年度に打ち切った個人住宅での購入費補助の復活や、電力会社が買い取る太陽光発電の電力量を増やすことを検討する。
住宅向け太陽光発電機器の普及を図ることで、現在200万〜300万円の価格が3〜5年後に半額程度になるよう後押しする。導入量については、20年に現在の10倍、30年には40倍にするとしている。
温室効果ガスを大幅削減する「革新的技術」として期待がかかるCCSは、来年度に大規模実証実験をスタートさせ、20年までの実用化を目指す。
原子力発電所の建設についても、着実な実現を目指すとし、電力各社が新規建設を計画している13基の原発のうち、17年度までに9基を新設するとしている。
このほか、エアコンなどの家電製品や自動車ですでに導入され、エネルギー効率が最良の製品を業界の基準とする「トップランナー方式」を来年4月から建売住宅にも導入する。企業間で温室効果ガスの排出枠を取引する排出量取引制度は10月から試行を始める。
http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20080726-OYT1T00035.htm?from=navr
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2050年の排出量を現状から60〜80%削減する長期目標を掲げた「福田ビジョン」の達成に向けた具体策を示したもので、太陽光発電機器の価格を3〜5年後に半額程度にする施策を打ち出す。火力発電所や製鉄所から排出される二酸化炭素(CO2)を地中に閉じ込める「CCS(炭素回収・貯留)」の実用化への道筋なども盛り込んでいる。
日本の太陽光発電の導入量は04年までは世界一だったが、05年にドイツに抜かれた。行動計画では「世界一の座を再び獲得する」ことを目指し、「思い切った支援策」を講じるとしている。05年度に打ち切った個人住宅での購入費補助の復活や、電力会社が買い取る太陽光発電の電力量を増やすことを検討する。
住宅向け太陽光発電機器の普及を図ることで、現在200万〜300万円の価格が3〜5年後に半額程度になるよう後押しする。導入量については、20年に現在の10倍、30年には40倍にするとしている。
温室効果ガスを大幅削減する「革新的技術」として期待がかかるCCSは、来年度に大規模実証実験をスタートさせ、20年までの実用化を目指す。
原子力発電所の建設についても、着実な実現を目指すとし、電力各社が新規建設を計画している13基の原発のうち、17年度までに9基を新設するとしている。
このほか、エアコンなどの家電製品や自動車ですでに導入され、エネルギー効率が最良の製品を業界の基準とする「トップランナー方式」を来年4月から建売住宅にも導入する。企業間で温室効果ガスの排出枠を取引する排出量取引制度は10月から試行を始める。
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【マドリード=上栗崇】京セラと、スペインの太陽光発電会社「アバンツァリア」は25日、世界最大となる30メガワットの太陽光発電所の建設を、同国中部で進めていることを明らかにした。今年9月に1期工事20メガワット分が完成。残り10メガワットは09年6月をめどに増強する予定だ。
予定地はクエンカ県にあり、甲子園球場22個分にあたる86万平方メートル。20メガワットの時点では、京セラ製の太陽光パネル10万5600枚を使い、建設費用は1億8千万ユーロ(約300億円)。電力はすべて電力会社が買い取り、一般家庭約6300戸分の電力をまかなえる。
アバンツァリアのカルロス・ガルドン社長は「京セラの協力を得て今後も積極的に投資を進めていく」と話した。
スペインには、太陽光による電力を電力会社が一般的な電気料金の3倍で買い取る制度がある。計算上は10年程度で投資が回収できるため、大きな発電施設の建設が相次いでいる。ただ、高値で買い取る電力が増えて電気代が上がる懸念が高まっており、政府は今年9月末から、買い取り額を引き下げる方針を固めている。
http://www.asahi.com/eco/OSK200807250110.html
予定地はクエンカ県にあり、甲子園球場22個分にあたる86万平方メートル。20メガワットの時点では、京セラ製の太陽光パネル10万5600枚を使い、建設費用は1億8千万ユーロ(約300億円)。電力はすべて電力会社が買い取り、一般家庭約6300戸分の電力をまかなえる。
アバンツァリアのカルロス・ガルドン社長は「京セラの協力を得て今後も積極的に投資を進めていく」と話した。
スペインには、太陽光による電力を電力会社が一般的な電気料金の3倍で買い取る制度がある。計算上は10年程度で投資が回収できるため、大きな発電施設の建設が相次いでいる。ただ、高値で買い取る電力が増えて電気代が上がる懸念が高まっており、政府は今年9月末から、買い取り額を引き下げる方針を固めている。
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携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」で世界の市場を席けんしたパソコン大手の米アップル(AAPL.O: 株価, 企業情報, レポート)。今度は、パソコンなどに接続せずに充電できるソーラーパネルを開発、特許を申請し、環境シフトでも業界の先陣を切る。松坂大輔投手らが在籍する大リーグ「レッドソックス」も、本拠地であるボストンのフェンウェイパークに太陽光を用いた給湯装置を設置した。球場で使っているお湯の燃料となっているガスの3分の1を太陽光に置き換える計画だ。
環境に優しいエネルギーとして大きな可能性を秘めながら、これまで何十年も化石燃料の脇役に甘んじてきた太陽光の利用が大きな広がりを見せている。同様に、風力発電も3年ほど前から着実に実用化が進んでおり、米グレートプレーンズ地方(ロッキー山脈以東の大平原地帯)では、「異星人」のような風力タービンが林立する。原油をはじめとする化石燃料の高騰や地球温暖化への懸念が広がる中で、かつては夢だった新エネルギーの利用が身近な世界に浸透しつつある。
<2010年に太陽電池と半導体設備の投資が並ぶとの試算>
これまで太陽光の利用は、ソーラーパネルの値段や屋根に取り付けるコストがかさみ、石炭など従来のエネルギー源と価格面で競争できなかった。しかし、アナリストや科学者の間では、化石燃料の価格がこのまま上昇すれば、太陽エネルギーは今後2―5年以内に十分なコスト競争力が得られるとの見方が高まってきた。
北米最大の太陽電池メーカー・サンパワー(SPWR.O: 株価, 企業情報, レポート)のトム・ワーナー最高経営責任者(CEO)は、米国や他の地域で太陽光と火力発電のコストが同じになる「グリッド・パリティー」は「約5年以内、早ければ2010年までに実現する」とみる。
米国では、25の州およびワシントンDCで、今後5―15年以内に、風力や太陽光などクリーンなエネルギー源による発電量を全体の最大30%に引き上げることを義務付ける法律が成立した。2003年にそのような規制を定めていたのは、わずか10州だった。すでに米国の太陽光発電市場はドイツ、日本、スペインに次いで世界4位。2007年には発電能力が前年を45%上回る750メガワットに達すると予想されている。これは約55万戸の家庭に電力を供給できる量だ。
太陽光発電市場には、民間企業の参入意欲も高まっている。インテル(INTC.O: 株価, 企業情報, レポート)やIBM(IBM.N: 株価, 企業情報, レポート)が太陽光発電事業に乗り出す方針を明らかにしたほか、ゼネラル・エレクトリック(GE.N: 株価, 企業情報, レポート)は太陽光エネルギー事業の年間売上高が今後3年程度で10億ドルに達するとの見通しを示した。米ハイテク調査会社のアイサプライは、全世界の太陽電池の生産設備への投資が増加し、投資額は2010年までに半導体製造設備への投資と並ぶと予測している。
<不足する送電インフラ>
ただ、太陽光発電や風力発電の普及を阻む要因は、コストの高さよりも送電インフラの不足との指摘が少なくない。
グーグル(GOOG.O: 株価, 企業情報, レポート)で再生エネルギーの推進責任者を務めるダン・ライチャー氏は「再生可能なエネルギーの比率が2%にとどまるか、あるいは20%に達するかは、新たな送電網の整備がどこまで進むかに左右されるだろう」と述べている。
例えば、風力発電の先進地域であるテキサス州では、発電地域である西部からダラス、ヒューストン、サンアントニオなど大都市に送電するには送電網の建設が必要とされている。しかし、送電網の建設には環境保護主義者などの抵抗も強く、課題は大きい。
<気球による太陽エネルギー供給も>
発電所を建設するのに必要な土地やインフラが乏しい地域に電力を供給する対策として、巨大な太陽エネルギー気球が役立つとの研究もある。この研究を行ったイスラエルの科学者グループによると、気球を用いれば、海や砂漠の真ん中に降り注ぐ強力な太陽エネルギーを活用することが可能になる。
研究によると、ソーラーパネルで覆われた巨大気球にヘリウムが満たされ、数百メートルの高度まで浮かび上がる。気球はワイヤーケーブルでインバーターと結ばれ、家庭に電力が供給されることになる。
このアイディアを生み出したピニ・グリフィル氏は、システムができ上がるのは、まだ1年先になるとしながらも、直径3メートルの気球が1キロワットのエネルギーを生み出すことができると説明している。これは25平方メートルの従来型ソーラーパネルが生み出す電力と同じ水準だが、その電力を生み出すコストは従来型ソーラーパネルが約1万ドルかかるのに対し、気球は4000ドル以下で済むという。
グルフィル氏は「気球は二酸化炭素を出さず。環境に全く悪影響を与えない。ヘリウムは自然界にある物質で、環境にやさしい。そればかりか気球は発電所を建設するのに必要な土地や建材などを必要としない」と話す。
<存在感増す風力発電>
米国ではエタノールが代替エネルギー源として用いられるようになり、特に農村部に大きな影響を与えているが、3年ほど前から風力発電も着実に存在感を増してきた。グレートプレーンズ地方(ロッキー山脈以東の大平原地帯)には、風力タービンがあちらこちらに林立している。
米ミズーリ州の小さな田舎町ポートロックで、265フィート(約80メートル)の高さを持つ風力タービンが4枚の羽を光り輝かせている。のどかな牧草地やトウモロコシ畑の中に異星人が降り立ったかのようだ。だが、この「異星人」は村の人々から暖かく迎えられている。
この風力発電施設を運営するウインド・キャピタル・グループのエリック・シャンバーライン氏は、村人から「風野郎」と呼ばれる、村ではちょっとした有名人だ。「これは環境を汚さないし、税金も納める。人々に仕事すら与えている」と同氏は自慢げだ。実際、多くの人々は喜んでクリーンな電気を使っている。
米国の発電量に占める風力発電の占める割合はわずか1%だが、業界関係者の多くは、拡大に弾みがつくと予想している。
米風力エネルギー協会のエグゼクティブ・ディレクターを務めるランドール・スウィッシャー氏は「今は非常に追い風が吹いている。人々は世界の気候に何が起きているかを示すデータを注目し始めた」と語る。
<風力発電施設の建設に弾み>
米国では昨年、34州で3100機の風力タービンが建設されたほか、現在も2000機が建設中だ。現在米国内で稼動している風力タービンは2万5000機を上回り、投資額は150億ドルに上っている。
米エネルギー省は5月に、風力による発電量は現在の16.8ギガワットから2030年までに304ギガワットに拡大し、全体の電力源に占める比率も20%に達する可能性があると明らかにした。その目標を達成するためには、2017年までに毎年7000機の風力タービンを建設する必要があるという。
産業界も政府の前向きな姿勢に応えようとしている。ゼネラル・エレクトリックは、750メガワットの風力タービンを供給する契約を結んだ。これは約20万の家庭に電力を供給できる量だ。
ネブラスカ州では約2万5000の家庭に供給できる量の電力を生産する同州最大の風力発電施設の建設に着手したほか、アイオワ州では電力会社のウィスコンシン・パブリック・サービス社が2億5100万ドルを投じて風力発電施設を建設する許可を取得した。テキサス州では著名投資家のT・ブーン・ピケンズ氏が、約100万戸の家庭に電力を供給する発電能力を持つ風力発電施設に投資する計画を発表した。
<世界のバッテリー目指すノルウェー>
風力発電に力を入れているのは米国だけではない。ノルウェーは世界有数の産油国だが、同時に風力発電の「先進国」でもある。2025年までに最大440億ドルを投じて海上に巨大な風力発電施設を建設し、「欧州のバッテリー」(ハーガ石油エネルギー相)になることを目指している。
ノルウェーの産業界や政府当局者で構成するエネルギー評議会は「グリーン・エネルギー」の輸出により、欧州連合(EU)は、2020年までに風力、太陽光、水力、波力など再生可能エネルギーによる発電の比率を20%に引き上げるという目標を達成できるとしている。
ノルウェーは北海からバレンツ海に至る欧州で最長の海岸線を持っている。ハーガ石油エネルギー相は「わが国は神の加護を受けた幸運な国で、大きなエネルギー源を持っている。風力発電については間違いなく大きな潜在力がある」と述べている。
ノルウェーが計画している風力発電施設では、8つの原子力発電所と同じ規模の電力が生産できるという。
欧州では風力発電をめぐり、デンマーク、英国、ドイツなども、陸上や推進の浅い海域での発電に力を入れている。しかし、ノルウェーの利点は、深海部における原油やガスの開発施設を生かせるところにある。
ノルウェー最大のエネルギー企業であるスタトイルハイドロ(STL.OL: 株価, 企業情報, レポート)は先に、8000万ドルを投じて世界初の本格的な海上風力タービンを建設し、2009年に稼動させる計画を明らかにしている。
(東京 10日 ロイター)
http://jp.reuters.com/article/domesticEquities4/idJPnTK820301720080710
環境に優しいエネルギーとして大きな可能性を秘めながら、これまで何十年も化石燃料の脇役に甘んじてきた太陽光の利用が大きな広がりを見せている。同様に、風力発電も3年ほど前から着実に実用化が進んでおり、米グレートプレーンズ地方(ロッキー山脈以東の大平原地帯)では、「異星人」のような風力タービンが林立する。原油をはじめとする化石燃料の高騰や地球温暖化への懸念が広がる中で、かつては夢だった新エネルギーの利用が身近な世界に浸透しつつある。
<2010年に太陽電池と半導体設備の投資が並ぶとの試算>
これまで太陽光の利用は、ソーラーパネルの値段や屋根に取り付けるコストがかさみ、石炭など従来のエネルギー源と価格面で競争できなかった。しかし、アナリストや科学者の間では、化石燃料の価格がこのまま上昇すれば、太陽エネルギーは今後2―5年以内に十分なコスト競争力が得られるとの見方が高まってきた。
北米最大の太陽電池メーカー・サンパワー(SPWR.O: 株価, 企業情報, レポート)のトム・ワーナー最高経営責任者(CEO)は、米国や他の地域で太陽光と火力発電のコストが同じになる「グリッド・パリティー」は「約5年以内、早ければ2010年までに実現する」とみる。
米国では、25の州およびワシントンDCで、今後5―15年以内に、風力や太陽光などクリーンなエネルギー源による発電量を全体の最大30%に引き上げることを義務付ける法律が成立した。2003年にそのような規制を定めていたのは、わずか10州だった。すでに米国の太陽光発電市場はドイツ、日本、スペインに次いで世界4位。2007年には発電能力が前年を45%上回る750メガワットに達すると予想されている。これは約55万戸の家庭に電力を供給できる量だ。
太陽光発電市場には、民間企業の参入意欲も高まっている。インテル(INTC.O: 株価, 企業情報, レポート)やIBM(IBM.N: 株価, 企業情報, レポート)が太陽光発電事業に乗り出す方針を明らかにしたほか、ゼネラル・エレクトリック(GE.N: 株価, 企業情報, レポート)は太陽光エネルギー事業の年間売上高が今後3年程度で10億ドルに達するとの見通しを示した。米ハイテク調査会社のアイサプライは、全世界の太陽電池の生産設備への投資が増加し、投資額は2010年までに半導体製造設備への投資と並ぶと予測している。
<不足する送電インフラ>
ただ、太陽光発電や風力発電の普及を阻む要因は、コストの高さよりも送電インフラの不足との指摘が少なくない。
グーグル(GOOG.O: 株価, 企業情報, レポート)で再生エネルギーの推進責任者を務めるダン・ライチャー氏は「再生可能なエネルギーの比率が2%にとどまるか、あるいは20%に達するかは、新たな送電網の整備がどこまで進むかに左右されるだろう」と述べている。
例えば、風力発電の先進地域であるテキサス州では、発電地域である西部からダラス、ヒューストン、サンアントニオなど大都市に送電するには送電網の建設が必要とされている。しかし、送電網の建設には環境保護主義者などの抵抗も強く、課題は大きい。
<気球による太陽エネルギー供給も>
発電所を建設するのに必要な土地やインフラが乏しい地域に電力を供給する対策として、巨大な太陽エネルギー気球が役立つとの研究もある。この研究を行ったイスラエルの科学者グループによると、気球を用いれば、海や砂漠の真ん中に降り注ぐ強力な太陽エネルギーを活用することが可能になる。
研究によると、ソーラーパネルで覆われた巨大気球にヘリウムが満たされ、数百メートルの高度まで浮かび上がる。気球はワイヤーケーブルでインバーターと結ばれ、家庭に電力が供給されることになる。
このアイディアを生み出したピニ・グリフィル氏は、システムができ上がるのは、まだ1年先になるとしながらも、直径3メートルの気球が1キロワットのエネルギーを生み出すことができると説明している。これは25平方メートルの従来型ソーラーパネルが生み出す電力と同じ水準だが、その電力を生み出すコストは従来型ソーラーパネルが約1万ドルかかるのに対し、気球は4000ドル以下で済むという。
グルフィル氏は「気球は二酸化炭素を出さず。環境に全く悪影響を与えない。ヘリウムは自然界にある物質で、環境にやさしい。そればかりか気球は発電所を建設するのに必要な土地や建材などを必要としない」と話す。
<存在感増す風力発電>
米国ではエタノールが代替エネルギー源として用いられるようになり、特に農村部に大きな影響を与えているが、3年ほど前から風力発電も着実に存在感を増してきた。グレートプレーンズ地方(ロッキー山脈以東の大平原地帯)には、風力タービンがあちらこちらに林立している。
米ミズーリ州の小さな田舎町ポートロックで、265フィート(約80メートル)の高さを持つ風力タービンが4枚の羽を光り輝かせている。のどかな牧草地やトウモロコシ畑の中に異星人が降り立ったかのようだ。だが、この「異星人」は村の人々から暖かく迎えられている。
この風力発電施設を運営するウインド・キャピタル・グループのエリック・シャンバーライン氏は、村人から「風野郎」と呼ばれる、村ではちょっとした有名人だ。「これは環境を汚さないし、税金も納める。人々に仕事すら与えている」と同氏は自慢げだ。実際、多くの人々は喜んでクリーンな電気を使っている。
米国の発電量に占める風力発電の占める割合はわずか1%だが、業界関係者の多くは、拡大に弾みがつくと予想している。
米風力エネルギー協会のエグゼクティブ・ディレクターを務めるランドール・スウィッシャー氏は「今は非常に追い風が吹いている。人々は世界の気候に何が起きているかを示すデータを注目し始めた」と語る。
<風力発電施設の建設に弾み>
米国では昨年、34州で3100機の風力タービンが建設されたほか、現在も2000機が建設中だ。現在米国内で稼動している風力タービンは2万5000機を上回り、投資額は150億ドルに上っている。
米エネルギー省は5月に、風力による発電量は現在の16.8ギガワットから2030年までに304ギガワットに拡大し、全体の電力源に占める比率も20%に達する可能性があると明らかにした。その目標を達成するためには、2017年までに毎年7000機の風力タービンを建設する必要があるという。
産業界も政府の前向きな姿勢に応えようとしている。ゼネラル・エレクトリックは、750メガワットの風力タービンを供給する契約を結んだ。これは約20万の家庭に電力を供給できる量だ。
ネブラスカ州では約2万5000の家庭に供給できる量の電力を生産する同州最大の風力発電施設の建設に着手したほか、アイオワ州では電力会社のウィスコンシン・パブリック・サービス社が2億5100万ドルを投じて風力発電施設を建設する許可を取得した。テキサス州では著名投資家のT・ブーン・ピケンズ氏が、約100万戸の家庭に電力を供給する発電能力を持つ風力発電施設に投資する計画を発表した。
<世界のバッテリー目指すノルウェー>
風力発電に力を入れているのは米国だけではない。ノルウェーは世界有数の産油国だが、同時に風力発電の「先進国」でもある。2025年までに最大440億ドルを投じて海上に巨大な風力発電施設を建設し、「欧州のバッテリー」(ハーガ石油エネルギー相)になることを目指している。
ノルウェーの産業界や政府当局者で構成するエネルギー評議会は「グリーン・エネルギー」の輸出により、欧州連合(EU)は、2020年までに風力、太陽光、水力、波力など再生可能エネルギーによる発電の比率を20%に引き上げるという目標を達成できるとしている。
ノルウェーは北海からバレンツ海に至る欧州で最長の海岸線を持っている。ハーガ石油エネルギー相は「わが国は神の加護を受けた幸運な国で、大きなエネルギー源を持っている。風力発電については間違いなく大きな潜在力がある」と述べている。
ノルウェーが計画している風力発電施設では、8つの原子力発電所と同じ規模の電力が生産できるという。
欧州では風力発電をめぐり、デンマーク、英国、ドイツなども、陸上や推進の浅い海域での発電に力を入れている。しかし、ノルウェーの利点は、深海部における原油やガスの開発施設を生かせるところにある。
ノルウェー最大のエネルギー企業であるスタトイルハイドロ(STL.OL: 株価, 企業情報, レポート)は先に、8000万ドルを投じて世界初の本格的な海上風力タービンを建設し、2009年に稼動させる計画を明らかにしている。
(東京 10日 ロイター)
http://jp.reuters.com/article/domesticEquities4/idJPnTK820301720080710
